天体観測で位置を知る

航海士が使っている姿がすぐ思い浮かぶ六分儀などを使った天文観測で位置を知るのがまさに昔の唯一の方法であり、現在の簡便な方法と言えるのでしょう。ここで使われていた基準とされる観測対象が、緯度では「北極星」であったため緯度は絶対値と言われるのに対し、経度は基準は任意に選定できる、いわゆる相対値である、という基本的な違いがあります。

今でこそ経度の基準はイギリスの旧グリニッジ天文台と南極・北極を結んだ円周(本初子午線と呼ばれています)として世界共通とされていますがそれまでは各国ばらばらという時代もあったと言われています。具体的に現在の経度の求め方は、本初子午線で太陽が真南となる(南中と呼ばれています)時刻を基準として、測定点で同様に南中となるときの時刻との差分から算出されるもので、例えば時間差が10時間早ければ(360度/24時間)×10時間となり、東経150度になります。

ちなみに、子午線は十二支のネズミ(子)を北極とし、半周となる南極をウマ(午)として名づけられたものです。このような方法は現代では簡便なもので利用されるにとどまり、実際はGPS(全地球測位システム)などを使用したより精度の高いデータが使われています。