データと言われる情報を効率よく伝えるために、一目瞭然というような言葉でもわかるように、文章や表で表現するよりも図面で表したほうが余程利用者にとって分かりやいと考えられる状況が多々あるのではと思われます。このようなとき面データという広がりを考慮する必要がある時など地図形式にするとわかりやすいと思われる場合、選択肢として各種作図法が存在します。データにもその特性により、点、線及び面といった分類がされていますが、それらの特質を生かした作図法を選択していったほうが良い場合が往々にあります。そのうちでも、面に関わる情報を不連続で表現できる作図法として「コンプレス図(色分け図)」というものがあります。カッコ内の名称でおおよそその形式がわかるように、各地域を表現したい情報ごとに色分けして表現した地図形式のものです。これによって、例えば行政区画ごとの人口密集度や高齢者世帯数の集中度などが表現できる作図法です。但し、使用する場合はその特徴をよく把握して適切に表現していく必要があるのは他の作図法同様変わりはありません。色分け図と呼ばれる通り、作図作業自体はいたって簡単と言っていいかもしれません。詳細なデータが入手できないとか、参考資料といった類のものがないときには特に有効です。但し、区分ごとの表現しかできないがために区域内の分布状況までは表現できません。あくまでエリア内の平均値を表現するに留まり、データの表現力としてはあまり効率の良い手法ではない、といえない事もありません。わかりやすさを主眼とした作図法ということも言えるでしょう。