古地図として人気の江戸切絵図

日本には古くから地図が存在しており、現代でも古地図は当時の地形や住んでいる人の生活様式がわかるとして人気があります。そんな古地図の中でも特に人気が高いのが江戸切絵図で、地域別に区切って作られている絵図(区分図)であり、大名や旗本などの屋敷が人名つきで記されており、現在の住宅地図のはしりともいわれています。
それ以前の江戸全体を記していた大きめの地図とは異なり、携帯しやすいことから広く普及した歴史があります。江戸切絵図には吉文字屋に近吾堂、尾張屋に平野屋と4種類あり、江戸全体をカバーしているのが尾張屋板と近吾堂板でありこの2種類が特に有名です。
近吾堂板は麹町十丁目にあった荒物屋の近江屋が1846年から刊行を始めており、武家屋敷を尋ねる人からひっきりなしに道を聞かれることをきっかけとして説明のためにこの切絵図を作成し、その後人気になったことで販売を始めた歴史があります。